この度、農林水産省と環境省の連携による「田んぼの生きもの調査2003」の結果が取りまとまりましたので、主な結果についてご報告します。

●調査概要
 
目的
全国の水田周辺水域(農業水路と一部のため池)の生態系の現状を把握することを目的に環境省と連携して生物調査を実施。
調査対象、
調査地点数、
調査期間
調査対象生物:魚類、カエル
調査地点数:魚類 1940地点、カエル 413地点
調査期間:平成15年6月〜9月
 

主な調査結果
トピック1
全国で、魚が94種、カエルが14種採捕されました。 (表1 参照)
トピック2
全国85ヶ所で地域の方々が本調査に参加しました。(図1 参照)
トピック3
農業地域類型別の各地域(都市的、平地農業、中間農業、山間農業)において、生息する魚種に違いがあることが解りました。(図2 参照)
トピック4
本調査でメダカが採捕された199地点を自然環境保全基礎調査のメダカの分布情報(約10km 四方の2次メッシュ)と重ね合わせると、自然環境保全基礎調査(第5回調査)で生息情報のある691メッシュ以外に、平成13〜14年度の88メッシュに加え、今回新たに27メッシュでメダカ採捕され、平成13〜15年度の3年間の調査により、合計115メッシュでメダカの生息情報が得られたことになります。(図5 参照)


 
≪目次≫  
1.調査目的 5.調査期間
2.環境省との連携 6.調査結果概要
3.調査対象と調査箇所数 7.今後の展開方向
4.調査機関  
 
1.調査目的
農業農村整備事業は、土地改良法の改正(2001)を踏まえ、環境との調和に配慮した、自然と共生する「田園環境創造型」に転換することとなりました。
「田んぼの生きもの調査」は、上記を踏まえ平成13年度から全国の水田周辺水域(農業水路と一部のため池)の生態系の現状を把握することを目的に、環境省と連携して行っている生物生息調査です。
 
2.環境省との連携
環境省から、調査分析手法への助言・提案等
環境省の自然環境保全基礎調査(緑の国勢調査)との情報交換(情報の補完)
▲目次
3.調査対象と調査箇所数
調査対象種:魚・カエル
 調査地区:324地区(魚) 303地区(カエル)
 魚調査1940地点、カエル調査413地点。

魚類とカエルの調査地点は重複する場合があります。
一昨年度から行っている「一般調査」に加え、昨年度から定置網を用いるなど、より調査の精度を上げた「基幹調査」も始めました。
 
 
4.調査機関
(1) 実施機関(基幹調査を実施)
地方農政局:国営事業所、土地改良調査管理事務所
北海道開発局、沖縄総合事務局、水資源開発公団・・・計97出先機関
(2) 協力機関(一般調査を実施)
都道府県、市町村、土地改良区及び県土地改良事業団体連合会、小学校・こどもエコクラブ・田んぼの学校・・・計118団体
本年度の調査に協力していただいた小学校・こどもエコクラブ・田んぼの学校等の団体数は、昨年度の3団体から49団体に増加しました。
 
 
5.調査期間
平成15年6月中旬〜9月下旬
 
▲目次  
6.調査結果概要
(1)

全体の概要

全1940地点で魚調査をした結果、1570地点(約81%)で何らかの種が採捕され、種まで同定できた地点は1421地点(約73 %)でした。またカエルは種が採捕された地点のみ報告されています。
採捕種数及び多く採補された上位5種は次のとおりでした。

  採捕された魚種:20科94種
  採捕されたカエル:4科14種
   
  多く採捕された魚種上位5種 (数字は採捕地点数を示しています。以下同様)
    ドジョウ
タモロコ
モツゴ
メダカ
カワムツ
477
234
224
199
166
  多く採捕されたカエル上位5種
    ニホンアマガエル
トノサマガエル
ヌマガエル
トウキョウダルマガエル
ツチガエル
273
135
117
52
51
(2) 希少種(環境省のレッドリストに挙げられている種)
  魚では10種
シベリアヤツメ(1)、スナヤツメ(11)、カワバタモロコ(2)、
ヤチウグイ(4)、カゼトゲタナゴ(5)、ホトケドジョウ(7)、
エゾホトケドジョウ(6)、ギバチ(14)、メダカ(199)、
エゾトミヨ(15)
  カエルでは、1種
ナゴヤダルマガエル(2)
(3) 外来種(ここでは、国外から移入してきた種のことを指します。)
 

魚では、11種
ブラウントラウト(1)、ニジマス(3)、タイリクバラタナゴ(113)、
カラドジョウ(34)、カダヤシ(23)、カムルチー(7)、
オオクチバス(27)、コクチバス(1)、ブルーギル(26)、カワスズメ(10)、
ナイルテラピア(1)

  カエルでは、2種
オオヒキガエル(5)、ウシガエル(8)
   
(4)  その他
  カラドジョウは、青森県、山形県、群馬県、神奈川県、長野県、石川県
の6県において新たに採捕されました。
  また、1地点で13種の魚類が採捕できた地点(愛媛県)もありました。
 
今から30年以上前に整備した水路では、土水路での採捕種数が多く、今から30年前までに整備した水路では、3面張コンクリ−ト水路でも底に土砂の堆積がある場合採捕種数が多い傾向にありました。このことは、自然に土砂が堆積する環境があれば多くの種が生息する事が可能であると推測されます。
 
▲目次
7.今後の展開方向
(1) 来年度以降も環境省との連携を図り、継続的に生物調査を実施します。
(2) この調査結果をもとに、水田周辺水域の魚類やカエルを主体とした生物生息状況や環境条件を明らかにして、生物保全のためのより良い施設整備のあり方について検討を行います。
(3) 地域の方々が実施する生態系保全や環境保全、環境教育等の地域活動などとの連携をさらに進めます。
 
▲目次
 
○本調査結果に関する問い合わせ先
 農林水産省 農村振興局 土地改良企画課 計画調整室
課長補佐 馬場 範雪  (内線4712)
係   長 廣岡 由香利(内線4708)
直通 TEL 03-3501-3749
代表 TEL 03-3502-8111
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社団法人 農村環境整備センター