田園自然再生 書籍・文献データベース

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書名 自然復元特集5 淡水生物の保全生態学-復元生態学に向けて-
著者 森誠一 編
発行年 1999
出版社 (株)信山社サイテック
ISBN 4-7972-2517-3
総ページ数 247
装丁 ソフトカバー 
目次 1章 生態と環境の悪化1.1 河川氾濫源のシンボル・フィッシュ-イタセンパラ1.2 道路の敷設がカメに及ぼす影響1.3 小集団化に伴う遺伝的劣化2章 構造物と水生生物2.1 イバラトミヨの生息する湧水環境と基盤整備事業2.2 用水路と二枚貝の生活2.3 タウナギの分布拡大と用水路2.4 魚類の生息場所としての水田環境2.5 ダムと魚3章 自然への配慮事業3.1 床固めブロック岸におけるネコギギの生活3.2 精進川の多自然型川づくり事業の成果と問題点4章 移入種の実態と結果4.1 豊川水系の魚類相:移入種と多様性4.2 外来魚による生態系攪乱4.3 「バス釣りブーム」がもたらすわが国の淡水生態系の危機-何が問題で何をなすべきか5章 湖沼の生物環境とその後5.1 湖沼における水草の現状と保全5.2 琵琶湖におけるイサザの現状とその保全5.3 琵琶湖におけるコイ科仔魚の初期生態5.4 ワカサギの侵入で透明度が悪化した十和田湖6章 活用のために:地域の中で6.1 水域の環境保全:その背景となる自然観と社会的諸事情6.2 イタセンパラの生息環境から見た淀川水系の変遷とその保全・復元に向けて6.3 自然とは何か?
コメント 淡水生物の生息の現状やその保全に興味のある人におすすめである。また、本書は具体例が豊富に示されているため、実際に施工や研究に携わっている人に特におすすめである。内容は淡水生物の生息環境の悪化の現状や原因、またそれらに対する配慮事業について、最前線で研究している研究者により述べられている。そのため、幅広い分野について専門性の高い内容が盛り込まれている。ただし、淡水生物の現状からその保全、あるいは保全の対象としての「自然」のとらえ方に至るまで、秩序立って構成されている。そのため、保全生態学の現場適用の最前線を理解するのに欠かせない一冊となっている。