田園自然再生 書籍・文献データベース

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書名 魚類の遡上降下環境改善上のワンポイントアドバイス
著者 魚のすみやすい川づくり研究会
発行年 2001
出版社 財団法人リバーフロント整備センター
ISBN 4-947726-22-9
総ページ数 39
装丁 ソフトカバー A4版
目次 1.魚が魚道に集まりやすく入りやすくする1) 魚道の設置位置は生息する魚種や河床の特性を考慮し設定する2) 魚道は河岸寄りに設置する3) 魚道を下流側に突出させない4) 魚道下流端は洗堀を見越して根入れを確保する5) 魚道下流端の障害に注意する2.魚がのぼりやすくする(横断工作物本体)1) 切欠きの断面形状は流況に応じて魚の移動に必要な水深・流速が得られるようにする2) 水叩きにブロックを設置する場合には伏流しないようにする3) 横断工作物の越流部に水深が浅くて速い流れが生じないようにする4) 条件によっては全断面魚道も選択肢の一つとして検討する5) 横断工作物に透過性素材を使わない6) ゴム引布製起伏堰の検討の際には魚道の十分配慮する(魚道の工夫)1) 魚道の平面線形はできるだけ緩やかにする2) 魚道が屈曲する場合には屈曲部にプールを設置する3) セットバック式魚道では側壁を高くし横越流が生じないようにする4) 魚道下流端に設ける副ダム魚がそ上できないようにする5) 異なる形式の魚道を接続しない6) 扇形魚道ではそ上するにしたがって流速が増大するような構造にはしない7) 甲殻類の移動のために設置するロープは水中で振動しないようにする8) 魚道上流端と取水口はできるだけ分離する3.魚が降りやすくする1) 降下魚が落下衝撃を受けにくい構造とする2) 粗石付魚道には尖った石でなく玉石を用いる4.追跡調査魚道の効果を検証するため追跡調査を実施する
コメント 本書は、実在する魚道とその問題点をとりあげ、その改善方法について分かりやすく図解した内容となっている。小冊子ではあるが、簡潔に説明された内容には、魚道に関する最新の知見が盛り込まれている。編者らは多摩川水系の魚道の改善に努め、一定の効果をあげたという。日本各地に設置された河川横断構造物には、魚道が付設されている。移動魚に対し効果がないと判断された魚道についてはその改善が求められる。しかし、その改善方法に悩む技術者は少なくない。本書は、こうした技術者に対して、魚道改善方法のヒントを与えてくれるだろう。