■II-3. 水質保全対策計画の策定

キーワード:農業用排水施設整備,水質保全施設整備,農村環境施設整備,接触酸化法,水生植物利用

目的:
水質保全対策は,農業水利施設内の水質及び農業水利施設から公共用水域へ排出される水質が農業利水上及び環境保全上問題となっている地域において取組んでいます。その内容は,農業用用排水の汚濁を除去し,若しくは地盤の沈下に起因して生じた農用地及び農業用施設の効用の低下の回復を行うことによって,農業経営の安定を図り,併せて国土及び環境の保全に資することを目的としています。



●主たる事業内容

1.農業用排水施設整備
水質汚濁に起因して障害(有害な農畜産物の生産,農作物等の生育障害,農作業の能率低下,施設管理の支障など)が生じている場合に,水質浄化しそれら障害を除去するために行う農業用用排水施設の新設,廃止若しくは変更又はこれと併せて行う客土。

2.水質保全施設整備
農村地域の水質保全を図るために必要な農業用用排水施設その他の施設の整備。

3. 農村環境施設整備
農村の快適な生活環境を保全するための施設整備であって1.又は2.の事業と併せて行うもの。


4.
特認事業

地方農政局(北海道:構造改善局長,沖縄県:沖縄総合事務局長)が特に必要と認める事業。

●主たる水質浄化手法の特徴等の紹介
接触酸化法:   れき,砂利,炭等の接触材利用により,浄化を期待。SS,BODを除去。
土壌浄化法:   土壌の持つ分解・吸着能を利用し,浄化を期待。浄化原理がろ過であり,浄化水は極 めて清澄。土,砂礫の種類によっては,N,Pの除去も期待。
水生植物利用:   自然の植生をそのまま利用し,水生植物の分解機能を利用する方法,及び吸収機能を利 用し,それを刈取等により除去する方法。栄養塩,SSの除去及び硝化脱窒効果を期待。
曝気循環:   曝気,上下混合,撹拌による,DOの上昇に伴う底層の酸欠防止,栄養塩の溶出防止, 藻類の生産性抑制,Fe,Mnの水酸化物によるPの吸着沈降除去の促進。

●主たる水質浄化手法の特徴等の紹介
●地区事例

イメージ図

地区名:   赤野井湾(木浜)
所在地:   滋賀県守山市
工期:   平成10年度〜
事業費:   881百万円
概 要:   琵琶湖赤野井湾の水質保全のため,農地からの排水負荷を削減し,当地区の環境保全及び水資源の総合的な保全を図るとともに,琵琶湖の水質保全を図ることを目的とし,下記の水質保全対策を実施するものである。

浄化池の沈殿効果による浄化
クリーク型排水路の水生植物の吸収機能利用による浄化
暗渠排水における土壌の浸透による浄化
循環かんがい排水における負荷流出削減による浄化
石積み護岸等における接触酸化による浄化


●(社)農村環境整備センターがお役に立てること
     
補助事業申請に伴う業務(申請書類作成、委員会開催)
計画段階における水質調査、目標水質設定
全体実施設計段階での専門的知見・知識の提供及び全国的な関連事例情報の提供








 
農村環境計画の策定 国営かんがい排水事業地区の環境保全計画の策定 田園空間整備計画の策定 住環境整備計画の策定
ダム周辺環境整備構想 地域用水環境整備計画の策定 水質保全対策計画の策定 愛される農道づくり構想の策定
歴史的土地改良施設保全計画の策定 自然環境保全整備計画の策定 環境影響評価 農道整備事業に係わる環境保全計画の策定
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